「DI」って何?ダイレクトボックスの意味を知ろう
ライブでもレコーディングでもよく目にする機会の多いDIですが、実はその恩恵をあまり感じていないまま使用している人も多いようです。
輪郭のぼやけないタイトなサウンドを得るためだけでなく、特にライブ現場では長距離伝送においてのノイズ対策としての役割など、見えないところでDIは縁の下の力持ちとして、今日も皆さんの音楽を支え続けているのです。
日本では「ダイレクトボックス」と呼んでいますが、正式には「Direct Injection Box」の略です。
Boxが省略されてしまっていますが、英語圏では「DI.Box」と呼ばれることが一般的なようです。
特にベーシストやキーボーディストの方はライブの現場で使用したケースが多いかと思います。
直訳してみると「直接注入箱」となりますが、一体何を何に直接注入する箱なのか?
それはズバリ
「アンバランス(2極:不平衡:ハイインピーダンス)の微弱な信号をバランス(3極:平衡:ローインピーダンス)に変換し、マイクレベル機器に直接信号を入力させる為の箱」という意味になります。
シンプルに言えば、「ギターやベースを直接ミキサーに繋いでいい感じに音出したい時に必要なやーつ」でいいと思います。
これがDIの役割です。
ギターやベースは例外を除いて2極のフォーンプラグを用いたシールドケーブルでアンバランス信号を出力します。
シールドは調光ノイズ等、外来からの影響を受け易い為、バランスに変換しないままPA卓までの距離を這わすと、それ相応にノイズを拾ってしまい、クリーンなサウンドを保つ事が難しくなってしまいます。
それを回避する為にも、なるべく早い段階でDIをかまし、理論上ノイズに強いバランス信号に変換する事で、安定した出力をミキサーに送る事が可能となります。
そして同時に、その信号はミキサーのヘッドアンプ(マイクイン)に接続できるようになり、他のマイクと同じレベルでその楽器本来のサウンドを管理出来るという事もまた、大きな利点の一つです。
仮にハイインピーダンスのまま変換ケーブル等を用いて強引にミキサーのマイクインに入力したとしても、ギターのシングルピックアップ等からの弱い出力の場合では、適切な入力レベルが得られず、ミスマッチやS/Nの問題でノイズだらけのサウンドになってしまうケースも多いはずですから。
そういう意味ではDIはれっきとしたマイクとも言えますね。
小さい音(信号)はまずマイクで拾ってあげましょう。